SLEEP FAQ

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寝ながら瞑想する方法とは?効果的な方法を紹介

更新日:2018/10/01

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瞑想と睡眠、どちらも同じ目を閉じている状態になりますが、どんな違いがあるのでしょうか?瞑想の起源には古い歴史がありますが、最近では身心の疲れをほぐす健康法として、毎日の生活に取り入れる人も増えています。今回は瞑想と睡眠の違いや、睡眠に活かせる瞑想法について紹介します。

瞑想と睡眠について

瞑想とは

瞑想は、日常のざわついた心を静めるために、目を閉じて呼吸を整えて自分を見つめ直す行為をいいます。諸説ありますが、その起源は数千年前のインドに遡り、悟りを開くための修行として行われていたようです。日本にも仏教が伝来したことで瞑想の行為が広がるようになりました。今日では瞑想の捉え方も多岐に渡っており、心を静めて神に祈る宗教的な行為として利用するだけではありません。目を閉じて呼吸を整える健康回復を目的とした行為など、目的によっても様々な捉え方や方法がありますが、今回は「身心の健康を向上する」のための瞑想として紹介いたします。

瞑想の健康的な効果について

人が活動している日中は、仕事や学校などにおいて、頭を使って思考したり身体を動かしたりなど、常に身心が緊張する状態が続きます。その緊張感を解きほぐす目的で、夜眠る前に瞑想を取り入れる人が増えています。瞑想と聞くと、お寺で行う厳しい修行のようなイメージがあるかもしれません。しかし、眠る前の瞑想はもっとシンプルです。目的によって方法も様々ありますが、一般的なやり方として次のような手順で行います。

  1. 床に座布団や布を敷いてあぐらで座る
  2. 手をお腹のあたりにそっと重ねる
  3. 目を閉じて鼻から息をゆっくり吸い込む
  4. 体に空気が取り込まれるのを感じる
  5. 鼻から息が出ていくのを感じながら鼻から息を出す

この工程を5分間ほど繰り返すだけです。日中の思考しすぎている頭を休めるので、ストレスを感じるような思考が減っていきます。このとき、脳波にも変化が現れます。あらゆる物事を考えたり、様々な感情が動いたりする日中には、脳内にベータ波という脳波が流れています。しかし、夜に瞑想を行うと思考の数が減っていき、身心もリラックスしはじめるので、脳波もベータ波からアルファ波に変わります。すると、夜ぐっすり眠るために必要な副交感神経のスイッチが入りますので、夜眠る前に瞑想を活用することは、その後の睡眠の質にも良い影響を与えます。

睡眠との違いは?

瞑想も睡眠も同じ目を閉じた状態ですが脳波が異なります。瞑想をすると脳波はリラックスした状態であるアルファ波が出ます。この時点では意識はまだはっきりとしていますが、次第に浅い睡眠状態になるとシータ波に変わります。シータ波は、アルファ波よりもさらにリラックスした意識がぼんやりしはじめたときに出る脳波です。やがて、意識が徐々に薄れて無意識状態となり深い眠りに落ちる…、というような流れで眠りにつきます。したがって、瞑想と睡眠は人の脳波の状態がそもそも違うということになります。

瞑想には横になってできる方法もある

一般的に瞑想は「座った状態」で行うものですが、実は「横になって行える」瞑想があることをご存知ですか?眠る前の瞑想は効果的であるものの、座って瞑想をした場合、終わった後に布団に入るために目を開けて体を動かすというプロセスが入ってしまいます。せっかくの心地よい眠気が覚めてしまうこともあり得るため、睡眠前に瞑想するなら「横になって瞑想する方法」も覚えておきましょう。

座って瞑想する方法との違い

座って瞑想する場合、あぐらをかいたり姿勢を正したりする必要があります。人によってはあぐらをかくことが苦痛に感じることもありますが、横になる瞑想は、ベッドや布団にそのまま横になり、身体にとって緊張がない状態で行います。瞑想がはじめてで、座ってあぐらをかくのが苦手な人でも気軽にはじめられます。また、横になった状態で身体に余計な負担をかけずに、楽に複式呼吸ができます。座った瞑想では複式呼吸が上手くできないという人は、横になって瞑想することからはじめてみましょう。

寝ながらできる瞑想のやり方

  • シャバーアーサナ瞑想

    横になって瞑想できる方法として「シャバーアーサナ瞑想」があります。シャバーアーサナとは、サンスクリット語で「屍(しかばね)」を意味する「シャバ」と、ポーズを意味する「アーサナ」を合わせた言葉です。ただ仰向けになるだけで、日本では「屍のポーズ」として呼ばれています。言葉の意味としては少々怖いかもしれませんが、「魂が抜けたかのように、苦しみや悲しみなどの感情を解放させる状態に導く」ことがシャバーアーサナ本来の目的です。シャバーアーサナを行うときは、下記の手順で行いましょう。

    シャバーアーサナ瞑想のやり方
    1. 仰向けの状態で横になる
    2. 両足を肩幅に広げる
    3. 手のひらを上に向ける
    4. 全身の力を抜いて楽な状態にする
    5. 目を閉じて腹式呼吸を行いリラックスする
    6. リラックス感覚を味わったら、少しずつ身体に意識を戻していく
    7. 両手を頭の上に上げて全身を伸ばす
    8. 意識がはっきりと戻るまで、リラックスして座り、その余韻を味わう
  • ヨガニードラ瞑想

    ヨガニードラ瞑想のニードラとは「眠り」のことで、ヨガニードラをそのまま訳すと「眠りのヨガ」を意味します。シャバーアーサナ瞑想と同様、身体を仰向けにしたままリラックスした状態で瞑想に入る方法です。目を閉じながら身体のそれぞれの部位を一つずつ解放していくイメージで行います。インストラクターの誘導に従って行う方法もありますが、一人でやる場合には、頭から足の先に向かって、息をはきながら力を抜いてリラックスしていきます。全身の緊張をゆるめながら、ざわつきがちな心の働きも落ち着かせ身体の自律神経が整う…、という流れで行う瞑想法です。

    ヨガニードラ瞑想のやり方
    1. 仰向けの状態で横になる
    2. 深呼吸をしながら身体を伸ばしてリラックスさせる
    3. リラックスしたら、足は肩幅以上、脇の下もこぶし一つ分のスペースを空ける
    4. 頭の先から、頭のうしろ、おでこ、眉間、目と部位ごとに力を抜いていく
    5. 口の中、首筋、肩、肩回り、腕、背中、手を身体の一つひとつの力を抜いていく
    6. 腰回り、太もも、ももの後ろ、ふくらはぎ、足裏、足の甲、足のつま先と力を抜いていく
    7. 身体の部位、全ての力を抜いたら、全身リラックスした状態を保つ

という流れになります。呼吸はシャバーサナのように腹式呼吸を意識せず、ごく自然なままの呼吸で構いません。シャバーアーサナ瞑想も、ヨガニードラ瞑想も、横になったまま行いますので、特に身体が疲れているときはそのまま眠ってしまうこともあります。瞑想では寝てしまうことを推奨していませんが、そのまま眠っても構いません。瞑想は気楽にやるもので、「絶対、寝てはいけない!」と気合を入れるものでもありませんので、まずは自由にはじめてみましょう。

今回は、瞑想と睡眠との違い、寝ながらできる瞑想のやり方について紹介しました。瞑想は睡眠に入る前の準備のようなもので、座ってできる方法もありますが、横になった方が、リラックスした状態を保ちながらそのまま睡眠できるのでお勧めです。今回紹介した瞑想法をぜひ取り入れてみて、翌朝のスッキリと目覚める体験を味わってみてください。

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