SLEEP FAQ

Q

睡眠学習ってなに?睡眠と学習の関係性とは

更新日:2018/10/01

A

睡眠学習の経験はありますか?例えば、「英単語を聴きながら睡眠をすることによって記憶できる」といった話を聞いたことがある方はいるかもしれません。ただ、実際のところ本当に効果はあるのでしょうか。

睡眠学習ってなに?

睡眠学習とは読んで字のごとく、寝ている間に学習することです。「そんなことできるはずがない!」と思うかもしれませんが、日本では1960年代に睡眠学習器という商品が大ヒットしました。この商品は、枕の裏にカセットテープをセットして、睡眠時にそのテープを聞くだけで暗記ができるといったものだったそうです。ただし、睡眠前に記憶したいことをテープに吹き込む行為そのもので学習できることはあっても、睡眠中に聞くだけでは効果がないという認識が広まりました。

しかし!新たな説が浮上

2009年に米国ノースウエスタン大学の研究チームが発表した臨床実験の結果で「深い睡眠時に記憶が強化される」というものがあります。2012年10月には日本でもショウジョウバエの脳の機能を調べた結果、睡眠中に学習の回路のみを働かせることができれば睡眠学習を理論的に裏付ける可能性もあると指摘しました。つまり理論上、睡眠学習は不可能ではないということです。

効果的な睡眠学習方法ってあるの?

それでは睡眠学習をどのようにおこなえば効果があるのかを見ていきましょう。例えば、英単語を覚えたい場合、聞いたこともない英単語を睡眠時に流しても効果がないとされています。つまり、睡眠学習は復習に最適だということです。この件については、スイス大学の研究によって立証されました。「ノンレム睡眠時に外国語の音声を復習として聞くことでボキャブラリーが増えるのか?」という研究内容です。ドイツ人の学生を集めて22時からオランダ語のボキャブラリー学習用の音声を聞いてもらったうえで眠りにつく研究でした。そしてノンレム睡眠に入った際に再び先ほど聞いた音声を聞かせるという流れです。その結果、ノンレム睡眠時に外国語の音源を聞いた学生は起きた後に単語を思い出す確率が大きく上昇するという結果になりました。つまり、睡眠学習は復習用として効果的といえるわけです。

シータ波が関係している

睡眠学習が復習用に効果があるというのはシータ波が関係しているといわれています。人間は新しいことを学んだり、勉強したことを復習したりしている際にはシータ波という波形が出ますが、睡眠中にもこのシータ波が確認されています。つまり、睡眠中であっても脳は学ぼうとしているということです。
まとめますと、効果的な睡眠学習としては、寝る前に勉強し、その内容を寝ている間に流すといった方法です。ただし、ノンレム睡眠時に音声は聴くべきなので、眠りについてから2、3時間後にその音声が流れるようにセットしておくとよいでしょう。

いかがでしたでしょうか。ここまで睡眠学習について見てきました。あくまでも睡眠学習について本当に効果があるかという点は明確ではありません。ただ、ここに紹介したように過去に発表された研究データには、いくつか睡眠学習ができるのではないかと仮説立てられるものはあります。ですから、一度試してみる価値はあるでしょう。

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