みんなの布団の疑問

Q

ひどい寝汗はなぜ?原因と改善方法はありますか?

更新日:2023/11/16

A

人間は眠気が生じると手足の温度が上がり、睡眠開始とともに深部体温(身体の内部温度)を下げるために汗をかきます。睡眠中に人が汗をかくのは当然のことなのですが、あまりにも寝汗がひどくなると、眠りが浅く睡眠不足に陥るなど、睡眠の質が悪くなる恐れがあります。
では、ひどい寝汗はなぜ起こるのか、その原因と改善方法をご紹介していきます。

寝汗がすごいのはなぜ?考えられる原因は?

通常、睡眠中に出る汗の量はコップ一杯(約200cc)程度と言われています。夜中にひどい寝汗で起きる、朝、目覚めるとパジャマが汗でぐっしょりと濡れているなどといった場合は、通常よりも寝汗がひどく、何らかの身体の異常が潜んでいる可能性があります。考えられる原因を4つに分けて説明します。

① ストレス

ひどい寝汗の原因として、まずストレスの存在が挙げられます。
これは、ストレスが過度に溜まると自律神経が乱れやすくなるためです。自律神経には、身体が活動している間に働く交感神経と休息している間に働く副交感神経があり、体温の調節はこの2つの自律神経がバランスを保ちコントロールしています。過度なストレスによって自律神経が乱れると、寝ている間の体温が適切に調節できなくなるため、ひどい寝汗へとつながる恐れがあるのです。

② ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れも原因となります。
性別を問わず年齢を重ねるにつれて、ホルモンバランスの乱れから心身に影響を及ぼす「更年期障害」によって発汗しやすくなるので、睡眠中の寝汗がひどくなることがあります。
更年期障害は閉経時期を迎えた女性特有のものと思われがちですが、男性女性ともに様々な症状に悩まされる方は多くいます。
次のような症状があり更年期障害を心配される男性は泌尿器科または心療内科や精神科、女性は婦人科や更年期外来でご相談ください。

身体的な症状 筋肉痛、関節痛、腰痛、疲労感、手足のしびれ、冷え、頻尿、排尿障害、かゆみなど
精神的な症状 イライラ感、倦怠感、気分が沈む、意欲低下、不安、不眠など
血管運動症状 発汗、のぼせ、ほてり、動悸、息切れ、めまい、頭痛、肩こりなど

③ 疾患

自律神経失調症・逆流性食道炎・甲状腺機能亢進症・膠原病・睡眠時無呼吸症候群・月経前症候群(PMS)・感染症・悪性腫瘍などの病気が原因でひどい寝汗が見られることがあります。
着替えをしなくてはいけないほど過剰に寝汗をかくことを東洋医学では「盗汗」と呼びますが、盗汗症状は下記の消耗性疾患の特徴であることが知られています。

  • 感染症 … 新型コロナ、インフルエンザ、結核など
  • がん(悪性腫瘍)

特に理由が思い当たらないのに突然寝汗の症状が現れた場合、寝汗以外に何らかの症状を伴っている場合には、何かしら病気や疾患が隠れている可能性も考えられますので、異常な寝汗が気になる方は医療機関を受診するようにしてください。また、薬が原因で寝汗が多くなる場合もあるため、新しい薬を飲み始めたことをきっかけに寝汗が気になった方はかかりつけ医にご相談ください。

④ 睡眠環境

寝室の温度や湿度、パジャマ類の材質、寝具のタイプなどの睡眠環境が原因で寝汗がひどくなることも考えられます。特に寝汗がひどくなる睡眠環境としては次のような場合があります。

  • 部屋の温度/湿度が高すぎる
  • 一晩中エアコンを一定温度にする→ 睡眠中の体温調節がうまく行えなくなる
  • パジャマ素材の吸水性/通気性が悪い
  • 季節によって寝具を変えず、暖かくなっても毛布や羽毛布団など保温性の高い寝具を使用している
  • ベッドマットレスの通気性が悪い → マットレスに汗や熱がこもる

寝汗を改善するためにできること

では、寝汗を改善するためにはどのようなことできるのでしょうか。
寝汗がひどくなると、睡眠の質の低下や寝不足による美容や健康への影響といった身体への影響があるだけでなく、寝具類が汗で湿気を含んだ状態にしておくとカビやダニなどの発生を促すこともあります。
ひどい寝汗を少しでも改善するための4つの対策をご紹介しますので参考にしてください。

① 気温/湿度をコントロールする

就寝する部屋の気温と湿度をコントロールし対策を行うことで、ひどい寝汗への改善効果が大きく変わります。
まず、寝る前に自分にとって一番快適な室温になるようエアコンを設定し、寝汗の程度に応じてタイマー機能を利用しましょう。室内の温度を均一にしたい場合や身体の表面温度を下げたい場合は、エアコンだけでなくサーキュレーターや扇風機を補助的に使用すると効果的です。
湿度は、エアコンの除湿機能や専用の除湿機を用いて調節しましょう。
ひどい寝汗をかくと布団に湿気がこもりやすくなるため、通気性の良いマットレスの利用や、除湿マットや除湿シートの使用なども湿気対策として有効です。ベッドの下に除湿剤を設置しておくと、寝汗によるカビ対策にもなります。

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② ストレス解消を図る

ひどい寝汗の原因がストレスの場合は、ストレス発散や緩和を試みてください。ストレス解消法には個人の好みや向き不向きがありますが、誰でも無理なくできる次のような方法を試してみてください。

■運動

適度に運動すると、疲労感により簡単に入眠できるようになります。激しい運動は避けて、ストレッチ運動や有酸素運動の代表といわれるウォーキングや散歩がおすすめです。

■入浴

ぬるめのお風呂にゆっくり入ると心身がリラックスして自律神経が整います。交感神経と副交感神経のバランスが安定すると、体温調節がうまく機能し、よい眠りへとつながります。

■その他

リラックス効果のある音楽、アロマ、食品などを生活に取り入れましょう。深呼吸や瞑想などを実践することも有効です。

③ 規則正しい生活を送る

生活リズムが不規則になると、どうしても自律神経が乱れやすくなる傾向があります。
毎日の食事の時間や回数が定まっていない、起床/就寝時間や睡眠時間が日によって違っているなど生活が不規則になると、体内時計がずれて正常に動かなくなりますので規則正しい生活を送るようにしましょう。
日頃から早寝早起き、決まった時間の食事、就寝の数時間前の入浴、十分な睡眠を習慣化するようにしましょう。アルコールやカフェインの摂りすぎ、就寝前のスマホ・タブレット・パソコン操作などは極力避けるよう注意してください。
規則正しい生活を送ることで自律神経が整い、きちんと機能すればストレスも緩和されるため、ひどい寝汗を改善することができるようになるでしょう。

④ ムレない寝具を使う

ひどい寝汗を改善するためには適切な寝具を選ぶことも重要です。ひどい寝汗をかいたときに通気性が悪い寝具を使用していると、濡れてベタつくなど熟睡することが難しくなりますので寝具選びには気をつけてください。

<通気性のよいムレない寝具選び>

パジャマ
  • 吸水性/吸放湿性のよい素材がベスト
  • 絹(シルク)、綿(コットン)、麻(リネン)は肌触りも優れていておすすめ
  • 冬季の重ね着は発汗量が増えやすいので要注意
シーツ類
  • 通気性/速乾性に優れた材質がよい
布団
  • 羽毛布団の場合、側生地が綿素材(綿混合率100〜60%)は通気性がよい
  • 寝汗対策として合成繊維は適さない
マットレス
  • 空気が素材内を通り抜ける構造になっている通気性の高いものがよい
  • ウレタン/ラテックス素材やポケットコイル式は通気性に劣るので避けた方が無難
  • 通気性の面で高密度連続スプリングⓇマットレスが最適

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まとめ

より良い睡眠をとるために睡眠時は誰でも自然に寝汗をかきます。
気をつけなければいけないのは過剰な寝汗が出る場合です。ストレスによる自律神経の乱れ、加齢によるホルモンバランスの乱れ、疾患、睡眠環境(寝室・衣類・寝具)のなどが原因で生じるひどい寝汗は不快なだけではなく睡眠の質が大幅に低下するおそれがあります。
気温/湿度のコントロール、ストレス解消、規則正しい生活、ムレない寝具の使用などの対策を行い、ひどい寝汗を改善しましょう。過剰な寝汗には病気のリスクも潜んでいるため、対策をしても改善されない場合は主治医や専門の医療機関に相談してください。

この記事の監修者

医師 木村眞樹子

日本睡眠学会専門医、日本内科学会 専門医
日本循環器学会専門医、日本医師会 認定産業医

東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。現在も東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、嘱託産業医として企業の健康経営にも携わっている。

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